トップページ>めおとぎつね
「あゝ鈴よ、夜が明けたようだな。」 定助はひとりごとのようにつぶやいた。そしてとつぜん、 「鈴、お鈴、あかりが。あかりが。」 「あかりがどうかしましたか。」 「どうかしたかじゃあねえ。あかりが見える見える。ほれそこの灯明も見えるぞ。この手もこの手も。」 「ほんとうですかおまえさん。ほんとに見えるんですか。」 鈴もおもわず大きな声を出してしまった。 二人は手をとりあってよろこんだ。まわりの人たちも、うれしそうにながめていた。